『春、ららら。』
まだ街のところどころに雪が残っている函館から家に帰ると、辺りはすっかり春になっていました。あたたかい風に吹かれていると、何だかわけもなく、うれしくなりますね。ららら。
晴れた日に、駅までの道をのんびり散歩気分で歩いていると、ここかしこに花が咲いているのを目にしました。
さくら、菜の花、れんげ、チューリップ、すみれ、ぺんぺん草、たんぽぽ、そして花オンチのわたしには名前のわからない、色とりどりのかわいらしい花たち。今回のダイアリーには、それらの花々を代表して、近所の小学校の校庭に咲いていたさくらを。
金網越しの校庭では、子どもたちが夢中で遊んでいました。何て明るい笑い声なんだろう。元気いっぱい走り回れる、あたたかい春を待っていたのかな。
「ゲーム脳」なんて何だかかなしい響きの言葉を耳にするようになった昨今ですが、きっと大丈夫。と、何がどう大丈夫なんだかイマイチわからないながらも、わたしはうんうん頷いてしまった。
そんな子どもたちの様子をぼんやり見ていたら、金網の向こうになつかしい顔を見つけました。わたしがその小学校に通っていた頃に、用務員をしていたおばさん。昔とまるで変わらないエプロン姿で、花壇のそばでお仕事されてました。
「おばさーん!こんにちは!」。お花と子どもに元気をもらって、思わず声をかけてしまったわたし。「…こん…にち…は?」おばさんは怪訝そうな顔で近付いて来ました。が、すぐに卒業生だとわかったみたいでにっこり。しばし立ち話をして、わたしは足取り軽く小学校を後にしました。
おばさん、いつまでも若いなあ。全然変わらないや。
おばさんはすぐ近所に住んでいて、娘さんも同じ小学校に通っていました。わたしのひとつ下だったような。
…待てよ。
もにょもにょっと逆算すると、20年くらい前にわたしが小学生だったとき、おばさんはおそらく30才くらい。ということは!今のわたしとほぼ同い年!そりゃ今も若いはずだ。
「おばさん」だって。ははは。
昔と変わらないなだらかな山を遠くに見ながら、わたしはひとり、声を上げて笑ってしまいました。


春ですね。
「桜の樹の下には屍体が埋まっている」とおっしゃった物書きの先生のせいで少女のころは夜、桜を見るのが怖かった。
でも今は、妖しい夜の桜が大好きです。ゾクゾクします。
オトナになりました。あはは。
わたしもひとり声をあげて笑ってしまいました。
「笑う門には福来る。」
コメント by MN — 2005/4/13 水曜日 @ 12:32:03