『野の花を生ける。』
先日、法事があって親戚のお寺にお参りしたら、仏前に山あじさいの花が生けてありました。故人は、境内に咲く四季折々の花や、野に咲く名もないような草花に心を寄せ、それを愛でたそうです。その話をしながら、住職は少し泣いておられるようでした。
あじさいかぁ…。もう夏なんですね。日に日に昼間の陽射しが強くなっているのを感じます照らされて、輝く青葉が目にまぶしい。そして、我が家の近所では、田んぼに水が引かれ、いよいよ田植えが始まりました。キラキラと光る水面に、小さな緑の苗が礼儀正しく並んで、やがて来る秋の実りを夢見て、ニコニコ笑っているように見えました。
草花、といえば、昨日ぶらりと生け花の展覧会を見に行って来ました。山村御流という流儀のお華です。
この山村御流は、奈良の市街地から少し離れた、大和青垣国定公園にある円照寺がお家元。臨済宗妙心寺派のお寺である円照寺は、中宮寺、法華寺と並ぶ大和三門跡のひとつです。もともと、天皇家のお姫様さま(後水尾天皇の第一皇女・文智女王)が出家されて開かれた草庵だったため、代々皇族や華族のお姫様が入寺されて、門跡寺院として現在まで続いているそうです。
その静かな尼寺で継承されて来た華道は、野に咲く花に心を留め、その命のはかなさを慈しみながら、まるで野に咲く姿のごとく、たいせつに生ける。そんな感じの印象を受ける生け花です。使っている花もひっそりとした野花が多くて、きらびやかなお花は少ないのでした。たとえば「琉球すずめのうり」「とくさ」「山ごぼう」「岩たばこ」「むべ」「だんつくも」「雪の下」「どうだんつつじ」。どれも皆、お花オンチのわたしには初めて目にするようなものばかりでしたが(汗)、とにかくあまりにも可憐で美しくて。名前をごにょごにょと何度も唱えながら、おぼえて帰って来ました。
でもこの華展、撮影はもちろん禁止されていましたし、野に咲く花をうまく撮影することもできそうにないので、今日のダイアリーには、夏でも毛皮で過ごす、我が家の王子様・猫のタビオの写真をお届けいたします。
タビオといえば、少しお話は横道にそれますが、きのう京都のKBSラジオ番組『ただ今勤務中!森谷威夫のお世話になります!』に生出演させていただきました。お世話になったKBSラジオのみなさん、アナウンサーの森谷さん、アシスタントの対馬さん、楽しいトークをありがとうございました。この番組に出演して、わたしはタビオの話をたくさんしてしまいました。
当のタビオは、そしらぬ顔で夢の中。

