New Album 「遠い約束」

新選組!

dokudami.JPG
 このダイアリーを読んでいるみなさんの中で、NHK大河ドラマ『新選組!』を見てる方って、どれくらいいるのでしょう?

 わたしは先週(前々回)初めて見て、いきなりこのドラマにハマってしまいました! いやぁおもしろいんです! 素晴らしいんです!

 わたしが見た回は、芹沢鴨が土方歳三らに殺害される、という辺りのお話でした。
 …と言っても、わたしはこれまで幕末の日本史にはまったく関心がなかったため、正直言って新選組の歴史的背景もなーんにも知らないのです。だから見ていても、誰が何者なのかさえ、よくわからない(笑)。
 でも、このお話では、殺す側・殺される側の、戸惑い、ためらい、悲しみ…そんな心の模様が実に見事に描かれていて、史実など知らなくても関係なしに、単純に、登場人物の姿にぐいぐい引き付けられてしまうのでした。

 なんの苦悩もなく、バッサバッサと人が殺される映画やドラマは実にたくさんあります。もちろん、それを痛快だな、と感じさせるような、勧善懲悪の娯楽大作もあるので、そんな作品を一概に否定はできないけど…。
 でも、どんな時代の人間も――それがたとえば刀を常に持っていた武士であったとしても――実際には人を切る時、または自らが死ぬ時、きっと皆、苦しみ悲しみ悶えたに違いない、とわたしは思うのです。

 だから、肩でぜいぜい息をして、苦しみながら剣を振るう、そんな姿がリアルに表現されている『新選組!』を見ると、本当に感動しました。きちんと“人間”が描かれている、血の通ったドラマなんですよね。

 毎週日曜は、テレビの前で「新選組!」をわくわくしながら見る。当分そんな日々が続きそうです(笑)。

ありがとう・2

milton.JPG
 吉祥寺スタパでのライブを終えて、19日に初めてライブをさせていただいたカフェミルトンは、宮城県白石(しろいし)市にあります。

 関西で生まれ育ったわたしにとって、そこは見知らぬ土地。そんな遠い町で、なんとワンマンでの初ライブを実現させていただけたのは、ミルトンのマスター、ママ、スタッフの方々、お客さまおひとりおひとり、そして、わたしといっしょに演奏してくれたバンドのみなさん…あの場所に集うすべての人々の、あたたかい心に支えられたからに他なりません。
 「待っていたんですよ」と声をかけていただいたとき、遠かったはずの白石が、そしてミルトンが、わたしにとって、大事なだいじな想い出の場所となりました。
 写真は、ミルトン店内に作っていただいた、やなせななCDコーナー。感激だなあ。お買い上げくださったみなさん、感謝の気持ちでいっぱいです♪

 あの日、本番中もライブが終わったあとも、何度も何度も「ありがとう」と口にしたわたしでしたが、心の中には、その一言だけでは足りないくらいの、ことばにできない気持ちが溢れていました。
みなさんと出会うことができて、わたしはなんてしあわせなんだろう。うれしくて胸がいっぱいになって、たくさん笑って、たくさん泣いてしまいました(笑)。
 これからも、このぬくもりを胸に、せいいっぱい大切に、歌をうたってゆきます。

 心をこめて。
 ありがとう。
 ほんとうに、ありがとう。

ありがとう・1

040623_1842~01.JPG
 16日吉祥寺スター・パインズ・カフェ、19日白石カフェミルトン、やなせななのライブを見に来てくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました! また、当日CDをお買い上げくださったみなさん! こちらもありがとうございます!

 ばたばたしていて、ダイアリーのアップが遅くなってしまいました。ごめんなさい。

 16日のスターパインズカフェは、“詩百の木”という、1999年から5年半にも渡って続けられてきたイベントの、なんと100回目だったのです! その記念すべき最終日に、わたしも出させていただくことができたのでした。ばんざーい!
 イベントのチラシには、第一回目から順に、出演された歴代アーチストの方々の名前がずらりと並んでいて、その軌跡を振り返ることができるようになっていました。その名前の中には、わたしが学生時代に好きだった歌を作った人の名前もあったりして…いやー圧巻でした!
 数多くの人々が、様々な“音”や“世界”を生み出してこられたこと、そしてその方々の名前のうしろには、耳を傾けていたお客さまの心が、たくさん存在していたこと。刻まれた“想い”の歴史に触れたわたしは、チラシを手に、不思議な感動をおぼえました。
 壁、柱、椅子、空気、そしてそこに集う人々の心――それらの上に、何層にも重なりあって、誰かの音楽が息づいていること。
 当日は、そんなことを心いっぱいで感じながら、素晴らしいミュージシャンの方々と同じステージの上で、わたしも歌が唄えてよかった。

 みなさん、ありがとう。

……つづく。

おしゃべりサラダ

040611_2102~01.JPG
 入院生活を送っていたわたしも、無事に退院しました。
 病院から出たばかりの日は、町を歩くだけで、騒々しさと慌ただしさに面食らって、よろよろしていましたが、不思議なもので、またその空気にもすぐに慣れてしまいました。
 束の間の静かなる休息よ、さらば。

 と、いうわけで退院後、昨日は初のお出かけ。
 国立文楽劇場に、漫才コンビ・バッファロー吾郎さんのライブを見に行って来ました。ライブのタイトルは“おしゃべりサラダ”。その名の通り、トークイベントです。

 ちなみに、会場となった国立文楽劇場といえば、以前能楽の養成所に通っていた時、特別課外授業で文楽を見に行ったことがあるのです。文楽は、日本の伝統芸能で、1つの人形を3人掛かりで動かす、いわば豪華な人形劇。一時期夢中になり、この劇場にも何度か足を運んだので、わたしには思い出深い場所なのでした。写真は劇場入口のちょうちん。
 昨日は、その伝統芸能の舞台の上で、バッファロー吾郎さんが“おしゃべり”をする、という何だか不思議なライブでした。
 飾らない雰囲気で舞台に登場した、木村さん・竹若さんのおふたりは、あれやこれやと、くるくる変化する題材について、つまらない小細工は一切なしで、ノンストップでおしゃべりされるのです。くつろいだ(ように見える!)おふたりのトークに惹きつけられている内に、1時間半のライブはあっという間に終わりました。退院したてで、できる限り声を出してはいけないわたしも、おふたりの面白さには耐えきれずに、げらげら。しあわせなひとときでした。

 「笑う」ことは大切です。

 心がうつむきがちな時も、笑っているうちに、気がつけば気持ちは晴れやかになる。クダラナイ悩みはどこかへ吹っ飛んでしまいます。心が背負っている荷物の重さは、そう簡単には変わらないけれど、背負う力が湧いてくる。
 くいっと心を前に向けて、元気を出したい時は「笑う」に限る!とわたしは思います。

 いやいや、それにしても、なんでも“ライブ”が一番ですよ。今週16日は東京吉祥寺スター・パインズ・カフェ、19日は宮城・白石カフェミルトン、やなせななもライブです(笑)。
 いや本当に。元気いっぱいで、心よりみなさんをお待ちしております。どうぞよろしく!

なつかしい歌

040605_1427~01.JPG
 前回のダイアリーにも書きましたが、現在わたしは入院しています。
 声を出すことを禁じられているので、人と会話をすることができません。看護士さんやお医者さんに短い返事をする以外は、始終黙っています。
 わたしを取り巻く周囲の世界との、直接的な交流がほとんどない毎日の中では、心に揺れが生じません。いらいらするようなことが一切ないので、怒ることはなく、またうれしいことも特にないので、笑わない。何かを考えるわけでもなく、ただぼんやりして、時を噛みしめるように過ごしているのです。
青い水の中に沈んで、ゆらゆら揺れているような。少しさみしいんだけど、静かで心地よい気分です。

 この静けさがいとおしくて、騒々しいテレビをつける気になれないことが多いので、食事の時以外、たいていは本を読んでいます。
 今日は、アーチスト門秀彦さんの『世界がこんなに騒がしい日には』という本を読みました。わたしは今まで門さんという方を知らなくて、作品も見たことはないのですが、入院前に書店でこの本を見つけ、最初の1ページにどきんとして、購入したのでした。
 その、第一印象の“どきん”は当たりだったようで、この本に描かれていた門さんの思いというものは、わたしにはなんとも衝撃的な内容でした。読んでいると感動して、はらはらと涙が流れることもありました。作品を近くで見たい、と強く思いました。
 本1冊を読み終えると、何かを作り出す人の“熱”のようなものに打たれて、わたしはしばらくぼーっとしてしまいました。

 作る、と言えば、わたしも歌を作るのです。
 何のために作るのか。
 何のために歌うのか。
 自分の中にこたえを持っていなければ作れないし歌えない、と、強く思う時があります。
 が、その一方で、こたえを探そうとして、なにか大いなる渇きのようなものがわたしをつき動かすから、歌を作り歌えるんだ、と、思う時もあるのです。
 でも。
 本から目を上げて空を見ると、ここはあまりに静かで、心がしんと冷たくなるのでした。わからない。

 不意に院内放送のスピーカーから、なつかしいメロディがオルゴールの音色で流れました。なんだったかな、この歌。曲名も思い出せないけれど、なつかしい歌。
 泣き出したいような、飛び上がりたいような、せつないような、笑い出したいような…くちゃくちゃな感情が、音楽に引っぱり出されて、わたしの中をくるくるまわります。
 どこから届いたかもわからない歌。でも、わたしの心に確かに生きる誰かの歌。

 こんなふうになりたい。
 漠然と、空に誓いました。

 花は、わたしの決意に素知らぬ顔。今日もやはり静かないちにち。

追伸/わたしにとって初めてのシングル「帰ろう。」が、入院中の6月2日に発売されました。お買い上げ下さったみなさん、ほんとうにありがとうございます。まだ手に取ったことのないみなさん、一人でもたくさんの方に聴いていただけるとうれしいです。ぜひぜひ! よろしくお願いします。

空の色

040601_1150~01.JPG
 実は、つい先日手術を受けたため、しばらく入院することになりました。
 手術の翌日から、毎日、一言も話すことができなくなり、無言のまま診察を受けて、熱を計って、薬を飲んだり吸い込んだり、点滴を受けたり…あとは運ばれてくる食事を食べて、ひたすら寝るだけ、という生活を、ここ数日送っているのです。
 とはいえ、そこまで眠り続けられるわけもなく、たいていは本を読んで過ごしています。ちなみに今は、友人からもらった、三谷幸喜さんのエッセイを読んでます。いやぁ面白い。

 わたしが入院している病院は、いなか町の真ん中にどーんと建っているので、周囲に同じような高さの建造物がなく、窓からの眺めはとても良いのです。この病室からも、辺りの山や海、のほほんとした町並みがよく見えます。写真は、その風景。

 病室には、朝の7時ごろから消灯の9時ごろまで、絶えず音楽が流れています。癒し系のクラシックや、鳥のさえずり、オルゴールの音色など。本当にリラックスできる音です。
 病院のスタッフは、お医者さんも、看護士さんも、お茶を運んできてくれるおばさんも、みなさんとってもやさしくて、申し訳ないほどのいたれりつくせりぶり。特に、さまざまな面でお世話をしてくださる看護士さんたちに声を掛けていただくと、それだけで心強く、安心します。きっとこのお仕事は大変だろうけど、イキイキした彼女たちの表情と、テキパキした動きを見ていると、素敵なお仕事をされてるんだなあ、とつくづく思うのでした。

 それにしても、こんな暮らしを送るのは初めて。なんて言うのか、少し戸惑っています。
 なにしろ声を出して話すことができないので、安静という名のもと、ひとりきりでひたすらぼーっとしていなければなりません。
 ベッドに横になると、山や海や町は、窓枠の下に隠れてしまい、窓からは空だけが見えます。
 一日で、空の色がこんなに変化するなんて、知らなかった。
 ゆっくりと流れる雲を眺めながら、今しばらくの間は、なにかをごちゃごちゃ考えるのをやめよう、と思いました。

 静かに時が流れてゆきます。

お問合せ